美術工芸品

けんぽんちゃくしょくことひきぐうええんぎ絹本著色琴弾宮絵縁起

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区分 美術工芸品 時代 鎌倉時代
指定内容・指定日 重要文化財(絵画)・西暦1901.03.27
所有者 観音寺 所在地 香川県高松市玉藻町5-5(香川県立ミュージアム)

香川県西部の琴弾山(ことひきやま/観音寺市)にある琴弾八幡宮の創始を絵に描いた縁起絵です。やや横長の画面の中に、時間の経過とともに展開するいくつかの物語が描きこまれています。絵の内容は、別に伝わる縁起文によりうかがうことができます。縁起絵は、人びとに八幡宮の物語を説明する「絵解き(えとき)」に用いられたものと思われます。
琴弾八幡宮の草創(そうそう)は、九州の宇佐八幡宮(大分県)から八幡神がこの地にいたったことによるとされ、画面左上には細くたなびく白雲が空より琴弾山の頂にかかり、宇佐八幡神の降臨する場面が描かれています。同時に山のふもとの浜辺(有明浜)には、琴の音を奏でる一艘の舟が漂着し、画面左端には、その舟を迎える開祖・日証上人の姿が、その下方では舟と琴が童子(どうじ)たちによって引き上げられ、人びとに迎えられる場面が描かれています。
一方、山頂付近には、八幡宮の社殿、下方には境内につづく参道の道筋、その半ば右方で山の麓にひらかれたところには観音寺の境内もみえています。八幡宮草創の物語だけでなく、有明浜や財田川など周囲の自然景観が細やかにかつ丁寧に描かれています。
香川県内において鎌倉時代にさかのぼる貴重な社寺縁起絵として極めて重要です。