だいこうじ第六十七番札所 大興寺
区分 | 四国遍路 | 時代 | ― |
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指定内容・指定日 | |||
所有者 | 大興寺 | 所在地 | 香川県三豊市山本町辻4209 |
四国八十八ヶ所霊場第六十七番札所大興寺は天平14年(742年)に熊野三所權現鎮護のために東大寺末寺として現在地よりも約1㎞北西の「大興寺」という小字(こあざ)の地に建立され、延暦11年(792年)に大師の巡錫(じゅんしゃく)を仰ぎ、弘仁13年(822年)に嵯峨聖帝(さがせいてい)の勅により再興され、その後現在の森に囲まれた小高い丘の上に移されたと伝えられています。往時、真言24坊、天台12坊が甍(いらか)をつらね、同じ境内で二宗が兼学したという珍しい来歴を有していますが、現在は真言宗善通寺派の寺院となっています。しかし、天台の影響は大きく、本堂を挟んで左右に弘法大師を祀る「弘法大師堂」と天台大師智顗(ちぎ)を祀る「天台大師堂」が建てられているという他に類を見ない配置をしています。また、熊野三所權現が弘法大師堂のすぐ南に大興寺建物と横一線に隣接して建てられ、神仏習合の跡を濃厚に残しています。
大興寺は長曾我部元親の兵火等によって一時衰退したものの江戸期に復興し、現在の本堂は寛保元年(1741年)に建てられています。
所蔵する県指定文化財には、平安後期の薬師如来坐像、鎌倉期の天台大師坐像と弘法大師坐像及び仁王像、さらに同時期の寺号を陽刻した扁額があります。また仁王門から本堂への参道脇にある榧(かや)と楠は大師お手植えと伝えられています。